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中華情報にとんと疎い私のもとにまでこの作品のウワサは届いていた。 曰く 「大陸の今年のお正月映画で爆発的ヒットを飛ばした」 「北海道が舞台になっていて大陸から北海道への旅行者が急増中」 「とにかくおもしろい!」(←里帰りして観てきたという知り合いのチャイニーズの感想) などなど。 確かに今まで日本で公開されてきた大陸映画とは趣が異なる作品だった。 主役の光頭(頭ツルツル)中年男の秦奮(葛優:グー・ヨウ)のキャラクターが この作品の魅力の全てと言ってもいいのではないだろうか。 この秦奮、いわゆる美男子ではないし、過去には忘れてしまいたい(でも忘れられない) 心の傷も抱えつつ、自分にも相手にも正直で口が達者。 秦奮の歯に衣着せぬ発言や行動は彼の頭の回転の早さやユーモアもあいまって 観ていて気分爽快だ。 しかし自分のそばにこんな男がいたらちょっと鬱陶しいかも・・・。(笑) そしてこれは決してむやみに他言しないのだがこの秦奮、実は金もたんまり持っている。 そんな彼が理想の結婚相手を求めて次から次へとお見舞いを重ねるのだが そんなワケないだろーっと突っ込みたくなるほどどの女性も一癖も二癖もあって。 (お見合い相手の1人に 徐若瑄(ビビアン・スー)の姿も!相変わらず可愛い♡) そんな中の1人、キャビン・アテンダントの笑笑(舒淇:スー・チー)に一目惚れの秦奮。 しかし彼女の心は不倫相手の男性(方中信:アレックス・フォン)で占められていた・・・。 お見合いに全力疾走の秦奮はやれ杭州でお見合いだ、やれ北海道旅行だ、 豪華客船でノンビリ旅だと忙しい。 こういう富裕層型ロードムービー的な要素もまたヒットした要因かもしれない。 そして要所要所で起こる笑い。 これは完全に好みの問題だと思うのだが、私はどのエピソードもそれほど楽しくもなく。 あまりにも笑いがストレートすぎてヒネクレ者の私には響かなかった。 しかし観終わってみるとこの映画、一体どんなジャンルなのか?何がテーマなのか? 何もかもがどうにもハッキリしない。 そんなに堅く考えなくても・・・と言われそうだが、破天荒な秦奮の言動への笑いとは 対照的な笑笑の抱える絶望的な恋愛への想い・・・ この2つが反発しあってなんとも収まりの悪い、着地点の見えづらい物語だった。 ただ1つ感心したのは馮小剛(フォン・シャオガン)監督の多才ぶり。 「女帝(エンペラー)」「戦場のレクイエム」そして本作・・・ 全てジャンルもカラーも異なる作品だ。 <大阪アジアン映画祭2009にて鑑賞>
by sabunorihk
| 2009-03-17 18:59
| 中国映画
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