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映画を観るにあたり監督にはあまりにこだわらない。 それでも作品を観る前から絶対に好きだ!と信用している監督の1人に この「胡同のひまわり」の張揚(チャン・ヤン)監督がいる。 どの作品でも派手な、役者だけで客を呼ぶようなキャスティングは決してせず、 丹念にじっくりその作品を描くことで丁寧な名作を生み出していく。 日本での評価がどうだかは知らないが、私にとって今まで観てきた 彼の過去の2作品はどちらもまさに名作である。 (「昨天」は未公開。ぜひ公開もしくはDVD発売を!) 胡同(フートン)とは北京の伝統的民家であり、現在北京オリンピックに向けて 次々と取り壊しが進んでいるらしい。 この作品は胡同で生まれ育った向陽(シャンヤン)と父親ガンニャン(孫海英)の 親子のつながりを正面からじっくり力強く描いた作品だ。 物語は9歳、19歳、32歳の向陽を描きながら進んでいく。 自分が叶えられなかった画家の夢を息子に託す父親。 それが重荷以外の何物でもなかった息子。 絵を描くことから逃れるために向陽が母親のミシンの針で 自分の手を縫おうとするシーンはあまりにも壮絶だ。 どんなに抗っても逃げようとしても必ず父親に「絵を描く自分」へ連れ戻される。 嫌いで嫌いで憎んでいた父親と絵だったはずなのに、やはり向陽が最後に 選んだのは画家への道だった。 展覧会場で向陽の作品を見ながら椅子に座る親子2人。 そのくっつくでもなく離れすぎるでもない微妙な距離感がそのまま2人の関係を 表現しているかのようだった。 2人の親子関係を描くとともにもう1つ監督は同じ胡同に住む隣人、 ラオ・リウ(劉子楓)と向陽の父親ガンニャンの友情も丁寧に描いている。 隣人ラオの言葉が発端で6年の強制労働を強いられたガンニャン。 正面から説明と謝罪をするラオに向かい「お前を許すことに意味はあるのか」と言い 心を閉ざしてしまう。 それから月日は流れ、ラオを許すタイミングを失ってしまうガンニャン。 面と向かって仲直りができずとも野外に置かれた将棋台で相手がいない間に一手づつ 将棋を刺し合うシーンは頑固でバカみたい、と思いつつ微笑ましく大好きなシーンだ。 てっきり監督はかなりお年を召した方なんだ・・・とちょっと前まで思っていた私。 実は1967年生まれだというのを知ってかなり驚いた記憶がある。 そのくらい、どの作品を観ても張揚監督は実にのびのびと老人達の姿を描く。 この作品でも親子の壮絶な物語だけではなく、この父親の別の面を描くことで 作品に奥行きを感じることができる。 ラストの結び方をああいう方向に持っていくことにはもしかしたら賛否両論かもしれない。 それでも私はあえて監督が選んだあの結末がよかったのだ、と思っている。 胡同のひまわり オフィシャルサイト
by sabunorihk
| 2006-07-24 20:33
| 中国映画
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