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「青春映画」っていうのはきっとこういう作品を言うのだ。 日常の生活の中で思わず「ふふっ」と微笑んでしまうような少しだけ特別な体験。 それは大人から見れば「そんなこと」と一笑されてしまうような出来事かもしれない。 だけどそれをキチンと受け止めてちょっと立ち止まってみる。 そしてまた明日に向かって背筋を伸ばして歩き始める。 そんな普通だけど少しだけ特別な夏の出来事を描いた作品が「夢遊ハワイ」だ。 もうすぐ兵役を終える阿洲(アチョウ)(トニー・ヤン:楊祐寧)は、ある日小学生の頃 好きだった陳欣欣(チェン・シンシン)(チャン・チュンニン:張鈞甯)が死ぬ夢を見る。 それ以来彼女の近況が気になって仕方ないアチョウ。 相棒のシャオグェ(ホァン・ホンセン:黄鴻升)と2人運良く手にした休暇 (実は秘密の任務があるのだが)に、シンシンに会いに行く。 実家を訪ねても不在の彼女は受験戦争で精神を病んでしまい、入院していたのだ。 アチョウはそんな彼女を病院から連れ出し、シャオグェと3人、花蓮の海へと向かう。 この作品にはたくさんの恋する気持ちが散りばめられている。 好きな女の子に花火を見せたくて兵役を脱走する男の子、 広く浅くいろいろな女の子に手を出して痛い目を見る男の子、 優しい眼差しで病気の女の子を見守る男の子・・・ (彼女がどこかへ行かないようにしっかりと手をつないでいるアチョウ、ポイント高し!) どの子もちょっと不器用だけど心根が優しくて、スクリーンに映る 澄んだ青空みたいな大きな心を持った子たちばかりだ。 だけどだからといってどの子の想い(願い)も叶うっていうワケじゃないし 痛い目にあったりあまりにも悲しい結末になったり・・・。 そうそう、キミたち人生っつーのは一筋縄じゃいかんのよ。 いろいろあるわけよ、なんてしたり顔で先輩風を吹かせたくなったりして。 兵役制度やビンロウ売りのお姉ちゃん。 日本とは違う台湾らしいエピソードに改めて「別の国の文化」を感じる。 兵役生活って辛いばっかりなのかな、と思っていたけど(実際大変なんだろうけど) この映画で描かれている 教官の飼っているネズミをバケツの水で泳がせてやったりとか 塀越しに彼女に差し入れを投げ込んでもらったりとか 男の子ばっかりの共同生活のいざこざや楽しみとか のんびりした一面もあって後で考えると悪いことばかりではいのかもしれない。 そうそう、タイトルから「ハワイが舞台の青春ムービー」と勘違いして観ても ハワイは出てきませんのでご注意を。 でも花蓮の誰もいない海と青空、そして彼らの笑顔は決してハワイに負けていないはず。 ・・・それにしても、トニー・ヤンくんはフツーの短パンやジャージやTシャツが どうしてあんなに似合うのか!? 相変わらずの白い歯が光るピッカピカの笑顔にズキュ〜ン!とやられた・・・。 夢遊ハワイ オフィシャルサイト
by sabunorihk
| 2006-10-16 20:16
| 台湾映画
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