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『第1回東京国際映画祭「アジアの風」 IN OSAKA』にて鑑賞。 定年退職後の生活を上海で1人楽しむおばさん(スーチン・ガオワー:斯琴高娃)を 訪ねる12歳の甥のクァンクァン(関文碩)。 彼の目に映るおばさんの毎日は少し変わったアパートの住人たちとの ちょっと風変わりなポストモダン生活。 なんだかんだと文句を言いつつ1人暮らしのおばさんの毎日はそれなりに楽しそうだ。 ところが1人の男性(チョウ・ユンファ:周潤發)の出現からおばさんの生活は 少しづつ何かが狂いはじめる。 惚れた弱みか全財産をパァにされ、おまけに階段から転げ落ち入院するはめに・・・。 物語の前半はとにかくハイテンポで楽しい展開。 上海の町の魅力もふんだんに盛り込まれ、 アパートのあたりは昔ながらの下町だけど窓から見えるのは 上海の現在を象徴する東方明珠塔(テレビ塔)や高層ビル群だ。 ・・・いつも思うのだが映画で観る上海の街は モダンさと古さがバランスよく調和され実にオシャレな街に思える。 だけど実際に訪れてみると「あれ?イメージとちょっと違う」と 感じてしまうのは私だけだろうか。 困ったヒトを見ると放っておけないおせっかいで、でも曲がったことは大嫌いで 正義感の塊、そして「男性を部屋に入れるのを他人に見られたくない」と 結構世間体も気にするおばさん自身もかなりクセ者だが、 (なんたって水着を毛糸で編んでしまうのだ!)↓ おばさんを取り巻く人達も強烈なキワモノ揃いだ。 だけどどこかみんな哀愁を感じる。 特に印象的なのはクァンクァンが出会い系サイトで知り合う美少女。 小さい頃おばあさんの不注意で顔の半分に火傷の傷がある。 自分の顔をこんな風にしたおばあさんを恨んでいたが、そのおばあさんも 今となっては痴呆症で全てを忘れてしまっている。 持て余した恨みとその対象になるおばあさんの哀れな現実。 おばさんのお隣さんのお金持ちの老婦人は1日中部屋で歌を歌い、 飼っているネコの飛飛(フェイフェイ)はいつもレースの腰巻風スカートをはいている。 一見幸せそうな彼女にも一晩にしてその人生を揺るがす事件が起こり・・・。 そして周潤發演じる胡散臭いオトコ。 彼は単なる詐欺師なのか、心からおばさんを愛していたのか・・・。 最後までそれはわからずじまいだ。 だけど夜中におばさんのアパートの階段で2人で京劇を舞う姿は 無邪気な子供のようで、思わず抱きしめたくなるほど愛らしい2人だった。 あの時の彼のおばさんを見る目にウソはなかった・・・ 私はそう信じたいのだ。 (でも、歌を歌うシーンは吹き替えだよね?? だって周潤發の歌唱力は決してお世辞にも・・・ムニャムニャ・・・) そんな微笑ましいエピソードで綴られる前半から一転、 物語の後半はいきなり作品のトーンが変わる。 アン・ホイ監督はこの作品の結末で一体何を言いたかったのだろう。 家族を捨てたオンナに対する人生の仕返しか? 気ままだけど不安な1人暮らしより笑いのない家族との生活の素晴らしさか? 最後にたどり着くおばさんの生活はあまりにも淋しく、 観終わって後味の悪い思いだけが残る作品になってしまった。 おばさんはなぜ1度は捨てた家族のもとへ戻ったのだろう。 娘(趙微:ヴィッキー・チャオ)に泣きつかれたからか? 全財産を失って1人で生活することに疲れてしまったからか? 上海での生活に終止符を打ち家族のもとへ帰ったおばさんを再びクァンクァンが訪ねる。 あまりにもかわってしまったおばさんを目の当たりにして クァンクァンは一体何を感じたのだろうか。 人生で一番大事なコトって何だろう。 自分を押し殺してすっかり笑わなくなったおばさんの姿は これからおばさんの後を追って年老いていく私には辛くてあまりにも淋しいものだった。
by sabunorihk
| 2006-11-15 20:10
| 中国映画
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