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香港黒社会最大の組織「和連勝会」で2年に1度の会長選出の選挙が行われていた。 候補者は2人。 温厚で人当たりがよく会に忠実で年配者を敬うロク(サイモン・ヤム:任達華)と 短気で型破り、欲しいものはすぐにでも手にいれようとするディー (レオン・カーファイ:梁家輝)。 幹部の話し合いにより会長は信頼の厚いロクに決定する。 しかしそれを不服としたディーはすぐさま報復に出る。 そこから会長の座の証「竜頭棍」の争奪戦が始まる・・・。 私が毎度言うところの大好きなタイプの香港映画。 ヘタに女が絡んでこない男の美の世界。 描く女の薄っぺらさにいつもウンザリさせられるジョニー・トゥ監督だが 今回は女がほとんど出演しないためかかなりお気に入りの作品になった。 静のロクと動のディー。 両者のキャラクターの対比が見事だ。 血の気が多く感情に走るディー。 私から見れば彼を会長にするなんてちょっと考えられないような人物。 人間臭くてある意味好感を持てる(?)のだがどう考えても会長の器とは思えない。 そんなディーをレオン・カーファイが熱演。 こんなふうに感情を出す役柄は珍しいかもしれない。 あのアヒルのような高い声を聞くと「黒薔薇VS黒薔薇」を思い出しちょっぴり笑いが・・・。 一方パリッと真っ白なシャツを着て人当たりもよく礼儀をわきまえたロク。 一見黒社会の人間とは見えない。 だけどこのタイプの人間は実のところ計り知れないほど怖いのかもしれない。 優しげに見える裏には冷酷な顔がのぞく。 最終的に見切りをつけられ敵にまわしたら恐ろしいことになるのだ。 やっぱり彼を会長に選ぶ幹部たちの見る目は確かだ・・・と納得。 会長の座の証「竜頭棍」を守るための組員たちによる中国ー香港の リレーのエピソードに目が釘付け。 男たちが全員素晴らしい。 男気があって一途で。 相手に怨みはないが組のためなら命も張る男たち。 兄貴分からの一言でつい1分前までの敵が味方へと180度変わる。 壮絶な戦い、逃走の中に思わずクスリと笑ってしまうエスプリがきいている。 特に印象的だったのがジェットを演じたニック・チョン(張家輝)・・・ 食えと言われてレンゲを砕いて食べる姿には思わず背筋が寒くなる。 ラストは随分甘いエンディングになりそう・・・ ちょっとガッカリしていた私をジョニー・トゥ監督は見事に裏切ってくれた。 ロクの息子が目撃してしまった父親の姿を息子はどう受け止めて行くのだろうか。 余談だが「黒社會」といわれると1989年チョウ・ユンファ(周潤發)主演の 「黒社會」を思い出してしまうのは・・・私だけか。やっぱり。(笑) エレクション オフィシャルサイト
by sabunorihk
| 2007-03-18 19:58
| 香港映画 あ行
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