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裕福な家庭で育ち、その才能にも一目おかれるジン(黃婉伶:レース・ウォン)は美大生。 しかしその才能を高く評価されつつも彼女は自分の作品に自信を持てずにいた。 そんなある日ジンは偶然交通事故現場に遭遇。 そこに横たわる遺体を写真に収めたことをきっかけに「死」にまつわる作品に のめりこんでいく・・・。 これがオリジナル英語タイトルなので仕方ないのだが、 「アブノーマル・ビューティ」というタイトルでかなり損をしていると思う。 現に私はこのタイトルだけで今まで鑑賞対象からはずしていたのだ。 「死」「血」「遺体」・・・人間誰もがどこかにかすかに持っているこれらへの好奇心。 交通事故を目撃することにより、ジンは誰もが躊躇する扉を開いてしまう。 首を切られる鶏、さばかれる魚、動物の死骸、飛び降り自殺する女性・・・ それらの前で一心不乱にシャッターを切る。 徐々に禁断の世界で何かにとりつかれるかの如く変わっていくジンを 元の世界へ引き戻してくれるのは親友のジャスミン(黃婉君:ロザンヌ・ウォン)だ。 このジンとジャスミンを演じる2人は実の姉妹であり、2Rのユニット名で活躍中らしい。 あまり似ていないので資料を見るまで姉妹だとはわからなかった。 ジンを演じるレースは成海璃子風、 対してジャスミン演じるロザンヌは松たかこがヤンチャになった感じ。 この2人の関係というのがかなり繊細に描かれている。 友情と愛情の間をいったりきたり・・・ それが若い頃に1度は通過する感情なのか、確固たる同性愛なのか。 そんな微妙な2人の感情も描きつつ、ジャスミンによってジンは子供の頃の辛い 過去についても心を開いていく。 ストーリーや映像はかなり残酷だし、血の苦手な方には辛い作品だと思う。 それでもオキサイド・パン監督作はその圧倒的な映像美が勝ってしまうから不思議だ。 この作品ではそれとともにジンの撮る写真や描く絵にもいちいち心動かされる。 特に裸体の女性におでこから足の先までツツ・・・と伝う一筋の血を描いた作品には 思い切りドキドキさせられた。 ・・・ところで鑑賞後に知ったのだが、1シーンだけ伊麺(イーキン・チェン)が出演? も、もしかしてアノヒトが彼だったのか!? まるで気づかなかった自分に思わず戦慄。 2004年 香港映画
by sabunorihk
| 2007-08-05 19:44
| 香港映画 あ行
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