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「我愛你」「傷だらけの男たち」と出演作の日本での公開が続くクールビューティ 女優シュー・ジンレイ(徐静蕾)。 彼女が監督・脚本・製作・主演と4役を務めたのが本作「見知らぬ女からの手紙」。 原作は「マリー・アントワネット」で知られるオーストリアのユダヤ系作家 シュテファン・ツヴァイクの原作「未知の女の手紙」。 この小説は1948年にマックス・オフュルス監督によってハリウッドでも映画化され 「忘れじの面影」という邦題で公開されたという。 学生時代に原作を読んだシュー・ジンレイはいつか映画化したいと考えていたそうだ。 本作は設定を20世紀のウィーンから1930年代からそれ以降の北京へと変え 90分という短い時間の中で見事に1人の男を愛し生きる女の一生を描ききっている。 1948年冬、ある作家が41歳の誕生日に1通の手紙を受け取る。 「この手紙は私が生きている間にはあなたの手元には届かないことになっています。」 そう始まるこの手紙には作家に一生をかけて思いを寄せたある女性の告白が 書かれていた・・・。 母子家庭で貧しい生活を送る少女。 彼女は近所に引っ越してきた裕福な作家に恋心を抱く。 彼の世話をする男性の手伝いをして作家の家の中を覗き見し、 つぎあての洋服を着たくないと母親にだだをこねる。 少女時代の彼女の恋心は愛らしさにあふれている。 もちろん大人である作家は少女の存在など眼中にない。 やがて少女は再婚する母親と共に山東省へ。 普通ならばここで少女の淡い初恋は終わりを告げる。 だが少女は一途に作家を思い続ける。 北京の女子大へ入学した少女は再び作家に近づいていくのだ。 彼女はあまりにも純粋なために作家への愛を一生貫いてしまったのだろうか。 男の子供を身ごもっても男を縛り付ける他の女と同じように思われたくないと 男の前から姿を消し、たった1人で子供を産み育てていく。 しかし私はひたすら怖かった。 女の作家への一途すぎる思いが。 最後の手紙もただただ作家に自分の一生を知って欲しい・・・そういう思いからではなく 最後の手紙を送りつけることで自分の存在を永遠の女性として作家の心に 焼きつける賭けに出たとしか私には思えなかった。 自分の命と引き替えの賭け。 その思いのあまりの強さに打ちのめされてしまう。 <大阪アジアン映画祭にて鑑賞>
by sabunorihk
| 2007-11-04 19:33
| 中国映画
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