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息子のボーイ(ン・キントー:吳景濤)をスクールバスまで見送る母リン (チャーリー・ヤン:楊采妮)。 物語の冒頭からすでに嫌な予感がする。 1度は失敗するものの、結局リンはギャンブルで借金を重ね続ける夫シン (アーロン・クォック:郭富城)に愛想をつかし別の男のもとへと去って行く。 残された父と子。 2人は借金取りから逃れるためにとある町の安宿へと移り住む。 どんなに金に困っても再び職につこうとしないシン。 やがて彼はボーイに盗みまでをも強要するようになってしまう・・・。 舞台は香港・・・と思いきやマレーシアだった。 マヌケにも「リンギット」という単語が出て初めてそれに気づいた。 香港より更にうだるような暑さがスクリーンから漂う。 女性の服装が香港より更に軽やかで、誰もが身体にはりつくような薄い素材を 身にまとっている。 言うまでもなくシンはろくでもない父親だ。 常にボーイを叩き、学校に行かせようともしない。 ボーイを映画館に押し込んで自分は女とシケ込む。 ついには嫌がる息子に盗みを強要し、更に盗んできたものに価値がないとまた叩く。 今や幸せな家庭を営む母リンは自分の所においでとボーイを誘うのだが ボーイはかたくなに父との生活を続ける。 このボーイの選択を私は不思議な感覚で見守り続けた。 父のもとを離れなかったのは自分達を捨てた母に対する怒り、失望から・・・とは 私には思えなかった。 母に捨てられた父を自分までもが見放すわけにはいかないと思ったのか。 それもあるかもしれないが、結局のところこんなろくでもない父をボーイは好きなのだ。 だから一緒に暮らし続けたのだ。 そしてシンもまた決してボーイとの関係を絶とうとはしない。 それは彼が利用できるからという計算からではなく(結果的に盗みをさせるのだが) 自分の子供だからというただそれだけのシンプルな理由なのだろう。 2人の姿を見ながら親子の不思議を思わずにいられない。 そこには他人にはわからない絆が確かに存在するのだ。 しかしついにボーイが父親を拒む時が訪れる。 盗みをさせられても、家の外で必ず自分を待っていてくれた父親。 何かあったら絶対に助けてくれると信じていた信頼が崩れた時、 ボーイは父親に失望し、彼を拒絶したのだ。 「どうして嫌がるボクに盗みをさせたの!?」と泣き叫び父に飛びかかり 彼の耳を食いちぎるボーイ。 あまりにも壮絶で悲しい2人の決別だった。 1988年に銀幕から一時姿を消しマレーシアで教鞭をとっていたという この作品の監督パトリック・タム(譚家明)。 17年ぶりの監督復帰作だという。 今まで一体どんな作品を作っていたのだろう?と気になって調べてみたら 私の大のお気に入り「最後勝利」はパトリック・タム監督作だった。 物語の冒頭、スクリーンに映し出される監督パトリック・タムの言葉が心に残る。 「観終わって感動の嵐になるような作品ではなく、後から心に染み入るような そんな作品になることを望みます」 (うろおぼえ。こんな感じだったと思うのだが・・・) 辛いので2度と観ることはない作品だと思う。 だけど不思議と嫌いになれないのはなぜだろう。 あれだけ心がザラつく物語にもかかわらず私はこの父と子がいとおしい。 まさに監督の意図するような、時間がたてばたつほど静かだが確かな感情が こみ上げてくる作品だと思う。 1つだけ気になったのは・・・リンが2人のもとを去って結婚する相手役を あえてアーロン・クォックが2役演じていたこと。 あれには何か監督の意図があったのだろうか。 私は必要性を感じることができなかったのだが。 <大阪アジアン映画祭にて鑑賞>
by sabunorihk
| 2007-11-09 19:30
| 香港映画 た行
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