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たどり着く先が見えない家族の介護 心の病に対する周囲の偏見と家族の戸惑い この作品が持つテーマの重さに鑑賞をためらいつつも 「今観るべき作品」との思いから鑑賞。 余文樂(ショーン・ユー)、曾志偉(エリック・ツァン)そして 金燕玲(エレイン・ジン)という錚々たるメンバーが名を連ねていたことも 私の背中を押した。 特に阿東(余文樂)が母親(金燕玲)を看護するシーンには心が痛んだ。 恋人から施設への入所を提案されても頑なに拒み自らの手で 母の介護を続ける阿東。 そこには母を想う気持ちがあるのはもちろんだがその一方 仕事を言い訳に家族をなかば見捨てた父親(曾志偉)とアメリカへ 生活の拠点を移し家族から逃げた弟への意地もあったのだろうか。 しかし母親の口から出るのは阿東への罵倒の言葉ばかり。 子育てと介護に見返りを求めることはできないとわかってはいても あまりにも辛いエピソードだった。 そんな母親が亡くなり、事故とはいえ自分がついていながらとの思いから 心のバランスを崩してしまう阿東。 やがて症状が安定し狭い一間の部屋で父親と暮らすこととなる。 同じアパートの隣に住む小学生の息子とその母親。 世間の偏見の眼はきつくてもこの隣人だけは阿東と父の2人の理解者に なってくれるに違いない。 ・・・という思いは簡単に裏切られた。 近所のスーパーで感情のコントロールが出来なくなっている阿東の姿を 見かけた彼女は他の住人とともに阿東の父親にアパートからの退去を迫る。 何よりも大切な息子の身の安全を考えてのことというのは理解できる。 理解できるのだが・・・どこかで何かを期待していたのだ、私は。 「確かに息子は躁鬱の病で入院していたが今は薬を服用し落ち着いている。 あんたの息子だって喘息持ちだし誰でも病気の1つや2つ抱えているだろう」 それはまさに正論なのだが歩み寄りの気持ちをハナから持たない人々に この言葉が響くことはない。 阿東の友人は新婚で仕事での地位も確立しつつあったにもかかわらず 精神的に追い詰められ飛び降り自殺をする。 阿東の別れた婚約者は宗教にのめり込み心の安定を得ようとする。 誰の心の中にもさまざまな闇や病は存在する。 彼らと阿東に線を引いたようなはっきりとした違いがあるはずもない。 ラストももちろんいわゆるハッピーエンドとは言えない。 黃進(ウォン・ジョン)監督自身も示唆していたように今後の彼ら父子は いくつもの困難に見舞われるに違いない。 それでも私は阿東が最後につぶやく 「おやじ、家に帰ろう」 という言葉に希望の光を見出した。 アパートを追われ住む家もない2人だがそれでも少し歩み寄りつつある 父と息子が共にいられること。 それこそが2人にとっての「ホーム」なのだから。 ちょっと進んでまた少し戻って。 そんな風に阿東の病も父子の関係も動いていけばいい。 <「大阪アジアン映画祭2017」にて鑑賞> 2016年 香港映画
by sabunorihk
| 2017-06-25 09:03
| 香港映画 あ行
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