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香港映画を観続けていると時折観続けてよかった!と 心底思える作品にめぐり逢う。 本作もまた久しぶりにそんな気持ちにさせてくれた作品。 初めて香港を訪れた時、アバディーンのあたりでガイドが言った。 ここで暮らす水上生活者たちがお風呂に入れるのは一生で3回。 1度目は生まれた時 2度目は結婚前日 そして最後はその生涯を終えた時。 このエピソードの真偽はともかくとして 水上生活者たちの裕福とは程遠い生活ぶりが強烈に印象に残った。 イギリス人との間に生まれ、生後すぐに貧しい蛋民(水上生活者)の 夫婦に買いとられ彼らの長男として育つ。 混血児であることと蛋民であることによる差別と貧困。 代々蛋民として漁の仕事を継いでいくことを当然とする父親との確執。 それらの中で決してあきらめず、一歩一歩より良い明日へ向かって 進んでいく華泉の姿と香港の近代の歩みが重なり大変興味深い。 華泉は20歳で子供たちに混ざり小学生教育を受ける一方、 就職した東インド会社では雑用係からスタートし、 英語も習得して会社でのポストを一段階づつ上っていく。 人生の折り目折り目で出会う人々に手を差し伸べてもらいながら。 それらは誠実で謙虚さを失わない華泉の人柄が呼び寄せるのか、 はたまた彼の洞察力が働いているものなのか。 華泉の実力を評価してくれるイギリス人上司、 イギリス人たちと対等に渡り歩くノウハウを一から教えてくれる アメリカから帰国したエリート女性菲安(劉心悠:アニー・リウ)。 そして母もまた、息子華泉から多くのことを学ぶ。 全く読み書きの出来ないこの母親が華泉から「海」「魚」といった 漢字とその意味するところを教えてもらい、次第に読み書きに興味を覚える。 「生まれて初めて鉛筆を握ったよ」と言いながら「魚」という漢字を 一生懸命書いてみるシーンでは涙があふれて止まらなかった。 「山」「雨」…日々の生活、環境の中で赤子が言葉を学ぶように 一文字づつ漢字と意味を理解していくその姿に胸を打たれる。 夫を亡くし金が底をつき、子供たちを教会や人手に渡す選択を 余儀なくされた母親は文字を学び船舶資格を取る決意をするのだ。 そう、この物語は華泉の人生のみならず彼の母親の人生を描いた作品でもある。 他人から「買ってきた子供」と言われても 「誰が何と言おうとお前は私の息子だよ!」と大声で華泉にどなるように 言う一方で晩年に「一緒に住もう」と言う華泉に向って 「本当の母親でもないのにこれ以上甘えては本当の母親に申し訳ない」と もう1つの本音を明かす。 母親の死後、彼女が晩年華泉のために行っていた「あること」を知り、 華泉以上に大泣きしてしまった。 ハーフの役にマッチしてかなり高評価。 貧しい時代の20代から出世した50代までを違和感なく演じている。 (途中10代の彼を演じている青年には多少むむむ・・・な印象だったが。) 母親役は若い時代を何超儀(ジェシー・ホー)、 その後を鮑起静(パウ・ヘイチン)と2人の女優が演じていて 違うタイプの顔つきながら全く気になることなく受け入れられた。 「自分は一体何者なのか」 華泉はずっとその疑問を自分に投げかけていた。 「この偉大な母親の息子」 それだけで十分ではないか。
by sabunorihk
| 2014-12-15 22:17
| 香港映画 あ行
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