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「停車」「4枚目の似顔絵」そして本作。 鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の長編作品は大阪アジアン映画祭のおかげで 3作全て鑑賞することが出来ている。 作品ごとに全く異なるテイストの鍾孟宏作品だが、 どの作品にも共通するのは静かな映像美と観終えた後に漂う独特な余韻。 まな板の上で命の光が消えゆくのを打ち消すかの如く跳ねる魚。 その眼差しとチュアン(張孝全:ジョセフ・チャン)の空(くう)を見つめる 眼差しが重なり合う。 静かな山の自然あふれる美しい風景の中何の前触れもなく突如襲う恐怖。 チュアンの人をのぞき込むような上目づかいの表情が一瞬にして悪魔に変わる。 彼が起こす戦慄の行動はいつでも唐突だ。 「チュアンは出ていったから自分が入り込んだまでだ。」 そう言い張るチュアン。 彼がシャワーを浴びた後、体からのぼる湯気がまるで 彼の魂が抜け出ていくかのように見えた。 父親(王羽:ジミー・ウォング)に対して興味が湧いた。 全く人格が変わってしまった息子をそれでも年老いた父親は 甘やかすことはしないものの決して見捨てることはしない。 それは父親としての責任からなのか、愛する息子の回復を信じてなのか、 それとも過去の妻の死についての息子への負い目からだったのだろうか。 息子の犯した罪の尻拭いを黙々とし続ける一方でこの父親の 突然の変貌ぶりに驚かされる。 娘婿の殺害。 真っ当とされる父親と猟奇的に変貌した息子の間には実はそれほど大きな差は ないのではないか。 実は物語の途中で私はとんでもないことを考えていた。 もしかしたらチュアンが起こした事件は実は父親自身が起こしているのではないか、と。 自ら都合の良いように息子チュアンの仕業と思い込んで。 しかし鍾孟宏監督はそういった小手先の手法で作品を作ることはないようだ。 まるで真実を透かすかのように静かに映し出される映像の数々と うまく噛み砕くことが出来ずその真意を探し続けてしまうセリフたち。 「モノには全て底があると思っているのか?」 鍾孟宏の作品にはいつでも私自身の思考の浅さを思い知らされてしまうのだ。 物語のラスト、チュアンの語るある物語の結末に思わず心が緩む。 おかえりなさい、チュアン。 そう心でつぶやいた。 台湾映画<「大阪アジアン映画祭2014」にて鑑賞>
by sabunorihk
| 2014-03-10 23:21
| 台湾映画
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