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昨年香港行きの機内で鑑賞済みだった本作。 なので劇場鑑賞をパスしようかと考えていたのだが思いのほか公開期間が長く、 それではせっかくなので日本語字幕付きでキチンと鑑賞しておくかと思い直し劇場へ。 う〜ん、なんだろう。 とりあえず物語にはグイグイひき込まれる。 なんたって「金」に踊らされる人間たちを蚊帳の外から「なんて愚かな!」と毒づいたり 「棚からボタ餅!」とニヤついたりするのは楽しいものだ。 ただし観終えて何かが残るかと言われれば・・・ほとんど何も残らない。 しかしこの作品はそれでいいような気がする。 3人の主要人物たちの金に翻弄された1日の物語。 銀行の金融商品担当営業の女と人のいいヤクザ、そして刑事。 全く接点のなかった3人の人生がこの日ほんの少しだけ交差する。 手に汗握ってしまったのは営業成績が最下位で 今日にでもクビになるかもしれないと切羽詰ったテレサ(何韻詩:デニス・ホー)が 銀行にやってきた中年女性にリスクの高い商品を契約させるエピソード。 人が良さそうで無知だが金儲けはしたいこの女性が目の前で 契約を一歩一歩進めていくシーンはヘタなサスペンスドラマより見ごたえがある。 質問による「あなたに向いた商品タイプ診断」を行ったり 「診断結果によるとあなたには向いていない商品なのでは?」 と表面的に問いかけたり 後々のことを考えて契約のやり取りを録音したり・・・ 銀行っていろいろな手段をとるのね〜と興味津々。 それに対し気のいい笑顔で「清楚明白」と答え続ける中年女性の これから先の展開は観ている者全ての脳裏に浮かんでしまったに違いない。 そのファッションは個性的で大柄なプリントシャツ(妙に襟にノリがきいている)に 丈の短めなパンツ(特に真っ赤なパンツ姿が目に焼きついて頭から離れない!)、 いつでもたすき掛けにしたバッグといういでたち。 義理がたくて妙に生真面目なこの男は軽い知的障害があるのだろうか。 彼のシンプルな頭の構造とチャーミングな言動は誰をも魅了してしまう。 いやそれにしても。 金というのは追えば逃げ、欲さないところへポトンと落ちてくるものなのだなぁ、と実感。 しかしポトンと落ちてきてもそれが幸せへの道しるべになるかどうかはわからない。 パウについてはあの葉巻で十分満足してしまいそうだけれど。 奪命金 オフィシャルサイト
by sabunorihk
| 2013-03-02 22:19
| 香港映画 た行
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