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「秋天的童話」・・・「秋の童話」ったって 韓流じゃないのよ、奥さん。 何かのはずみでふと口をついて出てしまう 自分の中のテーマ曲ってある。 あまりのインパクトや何かのきっかけで その日1日頭の中をグルグルまわる曲ではなく、 結局はこの曲なのよね・・・というやつ。 私の場合2曲あって、 1つは「悲情城市」のテーマ曲、 そしてもう1つはこの「誰かがあなたを愛してる」の テーマ曲「別了秋天」。 この作品で音楽を担当するローウェル・ロー (盧冠廷)のピアノが奏でる美しい曲だ。 この曲を聴くと物語の舞台ニューヨークの 夕暮れの風景が鮮明に浮かび上がり胸を締めつける。 留学している恋人を追って演劇を学ぶためニューヨークへやってくる ジェニファー(チェリー・チェン:鐘楚紅)。 遠い親戚にあたるサンパン(チョウ・ユンファ:周潤發)のアパートの2階に 間借りしてニューヨークでの生活が始まるが恋人ビンセント(ダニー・チャン:陳百強) にはすでに別の恋人がいて・・・。 彼の作品はかなり観たが(だって観る気なくてもその頃これでもか!的に 映画に出ていたもんね)この作品での彼が私の中ではベスト。 10歳も年下のジェニファーに惚れつつも拒まれるのが怖くて行動に移せず 「ガラは悪いが実はイイ奴」なサンパン。 長くニューヨークに住みながらワーキング・ビザも持たず チャイニーズレストランで給仕をしながらギャンブルやケンカに明け暮れる。 そんな彼に対してジェニファーはといえばかなりシビアだ。 「イイヒトだし彼は私に惚れているみたいだけど所詮住む世界が違うの」。 33歳のオトコより23歳のオンナの方が断然大人かも。 「呼びたくなったら床を鳴らせよ」 1階の部屋に戻っていつまでも鳴らない天井を見上げながらタバコをふかす サンパンのせつない表情。うまいなぁ。 邦題が腰砕けになるほど的外れなものが多い中、 この「誰かがあなたを愛してる」はうまい邦題だな、と感心した。 物語の中でサンパンが「サンパンはトラブル(ジェニファーのこと)を愛してる」と 書いてみたものの、照れくさくて「誰かがトラブルを愛してる」と書きかえるところから つけたものだ。 物語の終盤、お互いのことを思いやり偶然にもプレゼントを贈りあう2人。 このシーンにはとある小説を彷彿とさせる秀逸な演出が・・・。 劇場ではこのシーンで必ず客席からためいきともどよめきともとれるような 反応が聞こえた。(何回劇場で鑑賞したんだっけ?私) だけどその時すでにジェニファーはサンパンのアパートを立ち去るところだった。 もらったプレゼントを手に去っていく車をなりふりかまわず追いかけるサンパン・・・。 このシーンがねぇ、んもう涙が噴出すのよ何度観ても。 そしてラストシーン。 物語の余韻に浸りながら呂方が唄う大好きな「別了秋天」を聴く至福のひととき。 1987年 香港映画
by sabunorihk
| 2006-03-10 21:11
| 香港映画 た行
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