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頭を鉛のかたまりで殴りつけられたようだ。 どえらい作品に出会ってしまった・・・! 「参りました」と両手を挙げて降参する以外にない作品だ。 軍艦マーチを演奏しながら村を毎日行進する日本軍。 1945年日本占領下の中国・華北の小さな村。 冒頭乾いた軍艦マーチの音楽とモノトーンのスクリーンを見つめながら 「これは並みの映画じゃない」 というのがハッキリとわかった。 グラつきが微塵も感じられない堂々たる自信に満ちた作品。 なぜだかわからないがファーストシーンでそんな風に感じた。 事件の発端はある晩。 家の戸を叩いて「私だ私だ」と名乗る男。 青年マー・ターサン(チアン・ウェン:姜文)が不審に思いながらも戸を開けると いきなり額に銃をつきつけられこう言われる。 「5日後に取りに戻るまで『あるもの』を預かれ。何かあったら責任は全てお前にある」 残された『あるもの』は麻袋2つ。 1つには日本兵(香川照之)もう1つには中国兵(ユエン・ティン)が入れられていた。 殺すわけにも逃がすわけにもいかず「私」が戻るのをひたすら待つマーはじめ村人達。 ところが約束の日を過ぎても「私」は一向に現れなかった・・・。 ずっと観たい観たいと思っていた作品。 香川照之の素晴らしさはよく話題になっていたがそれにもまして監督、主演の 姜文(チアン・ウェン)に圧倒された。 去年観た「緑茶」「ジャスミンの花開く」での役どころはどうもいま1つで かなりガッカリしたのだが、この作品の彼こそ本領発揮というところだろう。 物語はストレートに戦争の悲惨さを語る重いものではない。 むしろ全編に渡って不思議なおかしみすら感じられる。 捕らえられた日本人兵花屋小三郎(香川照之)がいっそのこと殺せ!とばかりに マーたち村人を怒らせようと口汚くののしる場面。 もう1人の捕らわれの身の通訳のトン・ハンチェン(ユエン・ティン)が命惜しさに 友好的な言葉に訳してしまう。 「新年おめでとう!あなたは私のおじいさんです!私はあなたの息子です!」 ものすごい形相で「新年・・・」と怒鳴り続ける花屋にキョトンとして笑い出す村人たち。 このようなおかしみを漂わせながらもある瞬間に一瞬にして 凍りつくような恐ろしい「鬼」に変貌する人間の怖さ。 楽しい宴から一転して地獄に変わるあの無残なエピソードは完全に私を打ちのめした。 人の優しさに素直に感謝するのも冷血な軍人と化するのもどちらも同じ人間。 そういう点では人間の2面性を描いた「クラッシュ」とどこか通じるものがある。 そして見方によってはユーモラスともとれそうなモノクロからカラーへと変わる あのラストシーン。 「マーが見た景色」と「思い」がうなるほどのリアルさで私の胸を締めつけた。 タイトルの「鬼が来た!」の「鬼」とは一体何なのか。 そして「私」は一体誰だったのか。 観終わった後にいつまでも思いを巡らせてしまう恐ろしい作品だ。 2000年カンヌ映画祭グランプリ受賞? 当然の結果だろう。 鬼が来た! オフィシャルサイト 2000年 中国映画
by sabunorihk
| 2007-01-19 20:05
| 中国映画
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