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僕の名は游梓池、26歳。 その晩僕は旺角(モンコック)発大埔(タイポー)行きのミニバスに乗った。 本当に長いこと、私は香港の小巴(ミニバス)のまたの名を 「ウェンチャイ」だと思っていたのだ。 そして実際会話でもそれで支障なく通じていたのだが 実は「VAN仔」だったんだ・・・!と気づいた時には衝撃的だった。 広東語を耳から入ってくるまま覚えるとこういうコトはよく起こる。 あ、私だけ?(笑) 香港ではどこでどんなに夜更かしして遊び呆けても家に帰宅できる。 それは全て小巴のおかげ。 昼間より料金は割高になるがそれでもタクシーよりははるかにリーズナブル。 本作も週末とはいえ夜中の2時過ぎに昼間の如くの賑わいを見せる 旺角発大埔行きの小巴に乗り合わせた16人+運転手の物語だ。 定員になり旺角を後に小巴は獅子山(ライオンロック)トンネルを 通り抜け一路大埔へ。 ところがトンネルを抜けるとそこは雪国だった・・・わけではなく、 全く人がいないもぬけの殻の香港の街が広がっているのだった。 小巴を途中下車した中文大生4人組の変死。 いきなり発生する自然発火(?)による焼死。 全員の携帯電話に同時にかかる意味不明の電話。 時々恐ろしい姿に見えるユキの正体。 ガスマスク姿でアチー(黄又南:ウォン・ヤウナン)の前に姿を現す 謎の日本人の存在と彼が発する「絶対助けるから」という言葉と 「フットウ」の意味。 突然つながったアチーの恋人からの電話での 「あなたたちが行方不明になって6年経つ」という言葉。 彼らに降りかかる真っ赤な雨・・・。 全てが謎に包まれたまま物語はエンディングを迎える。 えぇーっそんな殺生な! どう解釈しろというワケ!? とモヤモヤしていたら。 ネット小説が原作である本作は小説の前半部分の映画化だとのこと。 なるほどそれなら納得。 個人的には彼ら17人がタイムスリップして時間と空間の溝に 入り込んでしまったのではないか?と思える(思いたい)のだが・・・。 ヒット次第で後半部分も映画化を考えると陳果(フルーツ・チャン)監督。 これはすぐにでも後半の製作を決めてもらいましょう。 このまま放置状態では体に良くない。 人っ子一人いない大埔の夜の街から車1台走らない吐露港公路を自転車で ぶっ飛ばす黄又南の姿にキューーン。 もうちょっとサドルを高くしたら楽になるよ、と教えてあげたかった。(笑) 新界を除く香港の街中で自転車を走らせるのは自殺行為に近い。 そんなワケで香港人はほとんど自転車に乗ることがないと思っている →つまり彼らのほとんどは自転車に乗れない。 そういう図式が私の頭の中で出来上がっていた。 だからこそ黄又南の自転車かっ飛ばしシーンには感動ひとしおだったのだ。 「撮影前に練習したのかしら」なんて。(←勝手な思い込み) そうそう。 黄又南といえばSHINEというユニットの歌手であるにもかかわらず 彼の歌声は聴いたことがない。 なので相方の徐天佑は本作で「初めまして」状態。 (実際には今まで鑑賞した香港映画に登場していたようなのだが記憶が・・・) プライベートでは徐天佑は11月に中学時代の同級生とゴールインだそうで。 恭喜恭喜。 劇中で流れるデヴィッド・ボウイの「Space Oddity」が胸を締めつける。 あの歌詞と彼らの置かれた状況との関連性についてもまた謎のままだけど。 そういえばアチーのヘッドフォンも何か意味あり気な気がしたのは私だけか? ラストシーン。 ポンコツ小巴に乗り込み大帽山へと向かう戦士たち。 彼らを待ち受けるのは今まで以上に過酷な運命なのだろうか。 陳果監督!後篇の製作くれぐれもヨロシクお願いします~~。 ミッドナイト・アフター オフィシャルサイト
by sabunorihk
| 2015-10-29 22:09
| 香港映画 ま行
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